ワーケーション@いしのまき>シェアハウス Roopt東松島新東名(東松島市新東名1丁目)
余暇を楽しみながら仕事をする「ワーケーション」という造語が認知度を上げている。職場でも自宅でもない休暇先でテレワーク。そんな姿を思い浮かべてみるだけで気持ちがいい。自然に囲まれた石巻地方のワーケーションスポットを訪ねてみた。(随時掲載)
◇
<DIY可能、高い自由度>
「仕事前に野蒜海岸でサーフィンができる」「ガレージは創作のアトリエにしよう」。施設を一回りしただけで、やったこともない趣味を始めたくなった。
空き家を活用したシェアハウスを展開する巻組(石巻市)が築34年の一軒家を改装し、2月にオープンさせた。敷地面積は600平方メートルを超え、六つある居室は平均12畳の広さ。水回りはフルリノベーションしてあり、ダイニングキッチンはシンプルながらも洗練された空間が広がる。
特長は利用者に与えられた自由度の高さだ。ふすまや障子など元の造りを残す居室は、入居者が自由にDIYできる。フリースペースも豊富で、広いバルコニーとガレージを備える。滞在期間も1泊から数カ月、年単位の長期契約まで縛りがない。
各地でワーケーションを経験し、4月30日に体験宿泊した静岡県下田市の杉沢玲奈さん(29)は「海が近いし、とにかく広い。他の入居者とイベントを企画するのも楽しそう」とイメージを膨らませていた。
シェアハウスに抱いていた少し窮屈な印象は消えた。日常と非日常の線引きは自分次第。柔軟な生き方を提案された気がした。(保科暁史)
■メモ
賃料は月3万5000~4万5000円。月額5000円でリビングなどの共用部を利用できるサービスもある。JR東名駅までは徒歩約10分。入浴施設やカフェも近い。「Roopt(ループト)」は多拠点居住に対応した新事業で、現在は石巻市と塩釜市にも物件がある。