街歩き、着付け、魚のおろし方… 首都圏居住者ら「石巻ならでは」体感
関東近郊の石巻市出身者や石巻と縁がある人、移住を考えている人らに石巻ならではの体験や交流会を楽しんでもらうイベント「おかえり石巻」が4月30日と5月1日、市内各地で開かれた。
市が主催し、一般社団法人「ISHINOMAKI2・0」が企画、運営を担った。市中心部を巡る街歩きや老舗呉服店での着付け体験、東日本大震災の伝承施設を訪れる企画など六つのメニューが用意された。
魚町2丁目の市水産総合振興センターでは「石巻の魚をおろして食べよう」を開催。魚食のPRなどに取り組む「石巻さかな女子部」が協力し、8人が参加した。
セッパやカレイ、メバルなど約40匹を用意。ライター兼編集者で女子部部長の塩坂佳子さん(51)が手本を見せ、魚の持ち方や包丁の入れ方を説明した。参加者も実践し、海鮮丼や天ぷら、あら汁に仕上げた。
参加した東京都港区の飲食店経営和田公美子さん(62)=石巻市出身=は「切りやすい包丁の角度やおいしく食べるためのこつが分かった。出刃包丁を買っておさらいしたい」と話した。
2・0が市内で営む「復興バー」は2013年以降、東京・銀座などにほぼ毎年期間限定で出店し、市民と被災地を応援する人との交流を生んできた。イベントは新型コロナウイルスの影響で減った交流機会を再びつくり、関係人口の創出につなげようと企画した。中央2丁目のIRORI石巻では交流会も開かれた。
2・0の勝邦義理事(39)は「首都圏の人が石巻に来る機会がなくなっていたので、安全な形で交流できればと思った。関係人口創出の取り組みも継続したい」と語った。