青いこいのぼり 650匹大空悠々と 震災で犠牲の子追悼 東松島・大曲
「こどもの日」の5日、青いこいのぼりを掲げて東日本大震災で犠牲になった子どもたちを追悼する行事が東松島市大曲であり、約650匹が風を受けて大空を悠々と泳いだ。
震災で家族4人を亡くした市職員の伊藤健人さん(29)が主導する「青い鯉(こい)のぼりプロジェクト」の一環。会場には全国から寄せられた大小の青いこいのぼりが掲げられ、家族連れなどが触ったり記念撮影をしたりして楽しんだ。和太鼓やよさこい踊りなどの披露もあった。
震災時、仕事で訪れた東松島市役所で被災したという仙台市泉区の会社員雲藤仁さん(38)は「こいのぼりを見て胸に迫るものがあった。2歳の娘にも震災のことを伝えていきたい」と思いを新たにしていた。
プロジェクトは伊藤さんが2011年、震災で犠牲になった末弟の律ちゃん=当時(5)=が好きだった青いこいのぼりを掲げたのが始まり。大型連休に合わせて毎年実施してきたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で20年は中止し、21年は日程をずらして開催した。
伊藤さんは「今年もこの日を迎えられてよかった。100年続く行事になるよう歩みたい」と話した。