参院選福島 与野党新人一騎打ちの構図 「増子票」争奪戦へ

(左から)星氏、小野寺氏

 夏の参院選福島選挙区(改選数1)は、6日の現職の増子輝彦氏(74)の引退表明で与野党新人候補の一騎打ちの構図に塗り変わった。6年ぶりの議席奪還を期す自民党と、新人を立てて共闘態勢を敷く立憲民主党など野党勢力が激突する。仕切り直しの前哨戦は行き場を失った「増子票」の争奪が焦点になりそうだ。

自民党県連の支部総会であいさつする比例代表候補の岩城氏(中央)と選挙区候補の星氏(右)=7日、会津若松市

 増子氏の引退表明から一夜明けた7日。自民新人の県医師会副会長星北斗氏(58)は、増子氏が従前の選挙で地力を発揮してきた会津若松市に入った。

 党県連の支部総会が開かれ、菅家一郎衆院議員(福島4区)は「皆さんの周りにも増子氏の支持者がいると思う。理解を得て、星氏を応援してもらえる流れにしたい」と呼びかけた。

 保守層から一定の支持を得てきた増子氏の退場は、自民にとって好機と言えるが、実は戦略が微妙に狂う結果になった。

 昨年12月に立候補表明した星氏は年明けから県内各地の企業や支持団体をくまなく回り、支持を固めてきた。県連幹部は「増子氏に保守層の獲得を諦めさせ、野党支持層を切り崩してもらう作戦だった」と明かす。

 支部総会には、ひと騒動の末に4月15日に比例候補に決まった元参院議員岩城光英氏(72)も駆け付け、「星氏に力添えを」と訴えて一枚岩をアピールした。与野党対決が鮮明な構図となり、公明党を含めた与党組織の歯車をどうかみ合わせるかが鍵を握る。

郡山市の事務所開きで気勢を上げる小野寺氏(左から2番目)と立憲民主党の国会議員ら=4月16日

 対する野党陣営。無所属新人のフリーアナウンサー小野寺彰子氏(43)を支える共闘態勢に加え、増子氏の支持層の組み込みを狙う。

 「昨年10月の衆院選は野党が勝ち越した。資金力では自民に負けるが、気持ちと情熱は数倍ある」。4月16日に郡山市であった小野寺氏の事務所開き。立民の玄葉光一郎衆院議員(福島3区)は共闘の枠組みに自信をにじませた。

 小野寺氏は、立民、国民民主、社民各党の県連と無所属議員、連合福島でつくる「5者協議会」が推す。共産党は実質的に「蚊帳の外」にあるが、党本部レベルの兼ね合いもあり、つかず離れずの距離感を保つ。

 ロシアのウクライナ侵攻を受け、軍事やエネルギー、食料など安全保障に対する社会の関心は高まっている。政策スタンスが必ずしも一致しない協力態勢は「もろ刃の剣」だ。

 ある立民県連幹部は「『増子党』とされる人は基本的に保守層で、増子氏の選挙の時だけ野党側につく動きをしてきた」と指摘する。急に浮いた増子票をどれだけ野党陣営が引き寄せられるかは不透明だ。

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