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老舗「玉松」復刻に力 ファン待望の味、商品化 東松島長寿味噌

思いや製法を継承し、今春発売した一目千本桜吟醸みそ
復刻した玉松ブランドの商品

 東松島市大塩のみそ・しょうゆ製造販売「東松島長寿味噌(みそ)」が、2019年に廃業した大河原町の老舗「玉松味噌醤油(しょうゆ)」の商品復刻に力を入れている。伝統の味を受け継ぎ商品化した復刻版のみそやしょうゆは消費者から好評で、今春、新商品の「一目千本桜吟醸みそ」がラインアップに加わった。玉松の商品は県南だけでなく石巻地方にもファンが多く、変わらぬ味を届けようと張り切っている。

 玉松味噌醤油は1937年創業。経営に行き詰まり19年1月に事業停止した。商品復活を望む声は根強く、東松島長寿味噌の橋本孝一社長(74)が玉松のファンだったこともあってブランド継承を決めた。

 東松島長寿味噌も18年に事業停止した「高砂長寿味噌本舗」(石巻市三和町)を建設業「橋本道路」(東松島市大曲)が引き継いで誕生した経緯がある。橋本社長は「『北は高砂、南は玉松』と言われた仙台みその名店。ブランドを守りたかった」と思いを語る。

 玉松商品は元社長の渡辺芳徳さんが監修している。玉松の工場で使っていた釜を活用し、原料の配合や火入れの具合といった伝統の製法を実践。渡辺さんが味見をして認めた物だけを商品化している。

 後藤秀敏工場長(53)は「渡辺さんが商品に込めた思いを受け止めて製品づくりをしている。毎回、味を見てもらうときは緊張する」と話す。

 20年から定番商品の「松醤油」やみそ「あなた思い」などの復刻版を順次発売してきた。新商品の一目千本桜吟醸みそ(500グラム、540円)は、大豆と同量の米こうじを使用。優しい甘さが特長で、じっくり熟成し味わい深く仕上げた。

 連絡先は東松島長寿味噌0225(83)1550。

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