災害住宅入居者調査 相談相手「いない」2割 石巻市・2021年度
石巻市は東日本大震災の災害公営住宅入居者を対象にした2021年度健康調査の結果をまとめた。「相談相手がいない」と答えた人は全体の約2割に上り、特に高齢男性の割合が高かった。新型コロナウイルス感染拡大による影響も続いており、市は入居者の孤立防止を図る。
相談相手がいない人の割合は全体の19・5%(前年度比0・3ポイント減)だった。60代男性が36・3%(5・1ポイント増)と最も高く、70代男性が26・6%(2・9ポイント減)、50代男性が26・0%(4・1ポイント減)で続いた。
市健康推進課の担当者は「独り暮らしを中心とした男性の高齢者は行事への参加が少なく、地域でのつながりが少ない傾向にある」と懸念する。
一方で、不安や抑うつ状態の指標「全般的精神健康状態(K6)」が13点以上だった「心の問題」がある人の割合は6・9%(0・4ポイント減)で、全年代で女性が男性を上回った。特に30代女性は14・7%で前年度の5・8%から大幅に増え、平均を大きく上回った。
担当者は「全国的に非正規雇用などの女性がコロナ禍の影響を強く受けている。さまざまな悩みへのケアが必要だ」と話した。
「体調が悪い」は21・8%(0・9ポイント増)、「体を動かす機会が減少」は40・1%(4・7ポイント減)、「行事への参加あり」は36・2%(2・7ポイント減)だった。
世帯構成では、独居と2人暮らしが全体の88・8%(1・9ポイント増)を占めた。独居高齢者世帯も39・1%(3・4ポイント増)に上り、いずれも増加傾向が続く。
調査は共同実施していた県が20年度で終了したため、21年度は市独自で実施した。支援が必要な入居者を把握することが目的で、訪問して孤立防止や健康観察につなげる。
調査は21年9月~12月、震災で被災し入居した3775世帯を対象に郵送で実施し、2450世帯(64・9%)が回答した。市は22年度も調査を継続し、9月ごろから実施する予定。