ごみ収集所カラス対策に結束バンド とげとげ嫌い近寄らず 石巻・蛇田下中埣1区
ごみ収集所の「天敵」といえばカラス。路上に置いたごみ袋をネットで覆う簡易タイプはカラスに荒らされる場合も少なくない。石巻市蛇田下中埣1区で2月に改造を施したネット式ごみ収集所は、3カ月がたってもカラス被害ゼロを続ける。その立役者は、結束バンドだった。
ケーブル類を束ねるときに使う結束バンドはナイロン製で耐候性もあり、強度は十分。先端のとがったタイプを選び、ネットの両端にあるロープに5、6センチ間隔で取り付けた。
考案したのは地区内に住み、長年、カラス対策に頭を悩ませてきた木村俊和さん(74)。電線にとげとげしたスパイク状の物を取り付けてカラスよけにしているという話を聞き、より手軽で安価に手に入る結束バンドでの代用を思いついた。
結果は劇的で、結束バンドを使った作戦は大成功。設置以降、カラスはとげとげした感触を嫌ってか、近寄ることが全くなくなった。ごみを入れる表側のネットには長いアルミ管を使い、裏側もコンクリートパネルで補強するなどし、カラスをシャットアウトしている。
木村さんはこれまでもネットに重しを適度な間隔で置くなどし、カラスの侵入を防ぐことに成功したことはある。しかし手間がかかるだけでなく、地面のアスファルトとネットがこすれて破損。人間側のちょっとしたミスをカラスは見逃さず、努力のかいもなく、ごみが辺り一面に散乱した苦い経験もあるという。
木村さんは「カラスとの知恵比べ。結束バンドの防御をさらに高める工夫を常に考えている」と気を引き締める。