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「ありがとうN6マシン」 日本製紙石巻工場で停機式 復興の象徴

N6号抄紙機の前で記念撮影する関係者

 日本製紙(東京)は印刷用紙の主力拠点である石巻工場の最大生産設備「N6号抄紙機(N6マシン)」を停止した。現地で26日、停機式が行われた。停止は印刷用紙の将来的な需要縮小への対応。新たに導入する設備では家庭紙の生産に事業転換を図る。

 N6マシンは2007年11月に稼働を開始した。同工場の抄紙機6台のうち最大で、世界最大級の設備。東日本大震災で被災したが、約1年後に運転を再開し、復興の象徴と位置付けられた。

 全長は264メートルあり、紙をすく行程や表面加工を一体的に行うことができる。年間生産能力35万トンを誇り、これまでに318万トンを供給した。

 チラシやフリーペーパーなどに使われる印刷用紙を生産してきたが、デジタル化や少子化などの影響で需要が縮小。新型コロナウイルスの影響もあり、大きな回復は見込めないと判断。今月17日に停止した。

 停機式には約60人が出席。中村真一郎執行役員工場長は「停機は残念だが、石巻工場の次なるステージへの一歩として明るい期待を持って見送りたい」とあいさつした。

 今後解体作業に入り、新設備の稼働は24年4月を目指す。その後は新設備でグループ会社が家庭紙の生産に入る。

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