石巻圏・新百景>グリーンスローモビリティー(石巻市のぞみ野)
高齢者らが乗り合いで外出し、近隣の商業施設への買い物や病院への通院など、それぞれの用事をすませる。東日本大震災の被災者らが暮らす石巻市のぞみ野地区で、昨年から始まった低速走行の共用電動カートを使う「グリーンスローモビリティー」の利用風景だ。
電動カートは運転手を含む5人乗り。時速20キロ未満で公道を移動し、フル充電で約10キロの走行が可能。地区内には免許を返納した高齢者もいるため、主にボランティアの住民がドライバーを務め、予約があった際に動かす形で運用が続く。
導入後、生活の利便性向上やコミュニティーの活性化につながっているが、走行距離が短く遠出に不向きといった点などで、利用者数が伸び悩んでいた。夏には課題を解消し、より遠くへ移動できる車両が導入される。環境に優しく、住民の新たな足として注目が集まるだろう。