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県産ホヤ「極み」を地域ブランドに 生産者組織、鮮度管理の徹底推進

地域ブランド「ほやの極み」として販路拡大を目指す県産ホヤ
認定基準を満たしたホヤに付けられるステッカー

 県産ホヤの生産者らでつくる「宮城ほや協議会」は31日、鮮度管理を徹底したホヤを地域ブランド「ほやの極み」として認定する取り組みを発表した。生産から加工、流通まで鮮度管理を徹底し、おいしいホヤを届ける。「適切に管理されたホヤは臭みがなく甘みが広がる」-。関係者は国内消費、販路拡大に期待する。

 石巻市中央2丁目の市かわまち交流センター(かわべい)で発表会があり、関係者約20人が出席した。

 「ほやの極み」の認定基準は(1)運搬時や陳列、保管時を含め10度以下の環境を保つ(2)鮮度落ち、劣化の原因となる真水を吸わせない(3)水揚げから2日以内の殻付きホヤ-の3点。

 東日本大震災以降、販路の回復、拡大が思うように進まず、苦しい状況が続くホヤ。協議会の田山圭子会長は「(ホヤは)適切な管理をしないと臭いが出て風味が損なわれる。これが関東、関西の人が苦手意識を持つ理由の一つだった」と話し、「生産者、企業、行政などが連携して魅力発信に取り組み、ホヤ業界を盛り上げたい」と語った。

 現在、認定を受けているのはいずれも石巻市の「海遊」(雄勝町水浜)「本田水産」(流留)「ワタキ水産」(谷川浜)の3社。生産されたホヤは、県内の飲食店で提供されるほか、東京のスーパーなどにも出荷される予定だ。

 オンラインで販売を計画する「ワタキ水産」の渡辺隆太さん(38)は「ブランドができたことで、鮮度の基準が明確になり、消費者へも伝わりやすくなる。食べたことがない人も試してもらい、消費拡大につなげたい」と抱負を話す。

 協議会は今後、認定企業の数を増やし、むき身のホヤについても認定基準をつくるほか、国が地域ブランドとして認める「地理的表示保護制度」への登録を目指すという。

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