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釣り初心者にもお薦め! スリーエム仙台港パーク、記者もシャコ釣り体験

一部区域の利用が3カ月半ぶりに再開され、多くの釣り客でにぎわった「海の広場」=2022年6月、仙台市宮城野区の仙台港中央公園

 仙台市宮城野区の仙台港中央公園「スリーエム仙台港パーク」には、初心者でも釣りを気軽に楽しめる「海の広場」があります。災害復旧工事に伴い今年2月から立ち入り禁止となっていましたが、一部区域が1日、3カ月半ぶりに利用できるようになりました。アウトドアレジャーに最適なこの時季、休みの日は堤防釣りで気分転換してみませんか。(編集局コンテンツセンター・小沢一成)

釣り初心者にもお薦め! 仙台港・海の広場、3カ月半ぶり一部再開

待ちわびた太公望でにぎわう

 1日は午前7時の開園から、待ちわびた太公望たちでにぎわった。朝からシャコが好調で、昼過ぎにイワシが爆釣した。過ごしやすい曇天の下、午前10時ごろには約50人がさおを出し、堤防釣りを満喫していた。

 海の広場は昨年2月の福島県沖地震で地盤沈下し、今年2月14日から復旧工事のため立ち入り禁止となっていた。今回は全体の約7000平方メートルのうち、工事を終えた北側約5800平方メートルの利用を再開した。公園を所管する宮城県仙台塩釜港湾事務所は今年中の全面再開を目指している。

 釣りデッキには転落防止用の柵があり、トイレや手洗い場も園内に整備されているとあって、家族連れやビギナーにも人気の釣り場だ。にぎわうのは例年4~11月で、特にゴールデンウイークや夏休み、秋の連休などにはごった返す。

 釣り具販売の上州屋仙台宮城野店(宮城野区)によると、この時期に狙えるのはハゼやカレイ、シャコなどに、イワシのような回遊魚。サビキで釣ったイワシを餌にする泳がせ釣りで、イナダ(ブリの幼魚)やショゴ(カンパチの幼魚)も期待できる。日の出、日の入りの前後や満潮前後がよく釣れるといわれる。

初心者から上級者向けまで多彩な釣り具がそろう上州屋仙台宮城野店。経験豊富なスタッフが相談に応じてくれる=5月31日、仙台市宮城野区

旬の魚、おいしく食べられる

 釣り歴40年以上の同店スタッフ葛西秀和さん(53)は「誰でも気軽に始められるのが堤防釣りの魅力。釣れる魚はさまざまで、2020年はタチウオがたくさん釣れたし、スズキやアナゴが釣れることもある。旬の魚をおいしく食べられるのがいい」と語る。

 初心者は最初にどんな道具をそろえればいいのだろうか。「2メートル以下の短いさおがあれば十分で、針は5号がお薦め。(釣り具の)『かに網』を使えば、ワタリガニも捕れる」と葛西さん。3000~4000円ほどでさおや仕掛け、餌など必要な道具をそろえられる。

 海の広場には利用ルールがあるので注意したい。釣りざおは1人2本までで、捕獲用の籠やルアーは使用禁止。当面は投げ釣りも禁じられている。以前から開園時間外に路上駐車して釣りをする人が後を絶たないといい、葛西さんは「マナーを守って楽しんでほしい」と呼びかける。

 仙台港中央公園が開園したのは1992年。総面積は約8万6000平方メートルで、海の広場のほか、野球場やテニスコート、多目的広場などがある。2011年の東日本大震災で被災した後、14年に本格再開した。

 開園時間は午前7時~午後6時(年末年始は午後5時まで)。利用は無料。駐車場は100台分。連絡先は管理事務所022(253)7727。

シャコを釣り上げた葛西さん=1日、仙台市宮城野区の仙台港中央公園海の広場

記者がシャコ釣り初体験

 釣り初心者の記者(43)が1日、仙台市宮城野区のスリーエム仙台港パーク「海の広場」で、上州屋仙台宮城野店のスタッフ葛西秀和さん(53)に教えてもらい、シャコ釣りを初体験した。

 サビキ釣りの道具しか持っていなかった記者の釣りざおに、葛西さんがシャコ用の仕掛けと虫餌のアオイソメを取り付けてくれた。海の広場では当面、投げ釣りは禁止。転落防止用の柵の外から釣り糸を投げるが、真っすぐに飛ばすのがなかなか難しい。周囲に迷惑を掛けないよう慎重にさおを出す。

 釣りざおを器具で柵に固定し、しばらくすると、さおの先端がほんの少し動く。「風かな」と思うほど微妙な揺れだったが、「来ていますね」と葛西さん。「すぐにさおを上げると逃げられるので、5分くらい待ちましょう」とのアドバイスを受け、期待と不安が交錯しながら時を待った。

 いざ、さおを取り、リールを巻き上げたところ、なんと2匹のシャコが海面から登場。葛西さんからも「ダブルはすごい」との言葉を頂いた。興奮気味に「ビギナーズラックですね」と返すと、「釣りはビギナーズラックで大物が釣れるから面白い」と魅力を語ってくれた。

海の広場で釣り上げられたシャコ=1日、仙台市宮城野区の仙台港中央公園

 3時間半の堤防釣りで、釣果はシャコ14匹。最も大きいのは体長16センチだった。もちろん、大半は葛西さんが釣り上げたものの、「さおを入れた分だけ釣れる」(葛西さん)という状況。3カ月半の利用禁止期間が釣果に影響したのかもしれない。

 この日は昼過ぎにイワシの群れが港内に入り、葛西さんは約30匹釣った。初心者には回遊魚狙いのサビキ釣りもお薦めだ。キャップを開けて絞り出すだけの餌も市販されており、アオイソメのような虫餌が苦手な人でも取っつきやすい。

 市中心部からアクセスが良く、近くには商業施設「三井アウトレットパーク仙台港」などもある。次の休日には家族で仙台港に遊びに行ってみようか。

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