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福祉向上へ期待 医療対応型老人ホーム、石巻駅前に開所 障がい者就労にも注力

テープカットでオープンを祝う小尾社長(中央)ら関係者

 石巻地方初の24時間365日看護師のいる医療対応型老人ホーム「SUN SUN ISLAND(さんさんあいらんど)石巻駅前」が1日、石巻市立町2丁目の旧中嶋外科医院にオープンした。障がい者の就労拠点を兼ねた共生型複合施設にもなり、超高齢化社会に対応した受け皿、受け入れ場所として地域福祉の向上などに大きな期待が寄せられている。県では初の国土交通省「2020年度住まいの環境整備モデル事業」(地域課題解決型)の選定を受けて取り組む。

 セレモニーには亀山紘前市長や斎藤正美市長らを含む約20人が参列。運営する「愛さんさんビレッジ」(市大街道南4丁目)の小尾勝吉社長は「皆さんの思いの詰まった施設を披露できることをうれしく思う。市や自治会を巻き込みながら、利用者が最後に生まれてきて良かったと思える場所をつくっていきたい」とあいさつした。テープカットもあり、出席者全員でオープンを祝った。

 ホームは「訪問看護ステーション愛さんさん石巻」を併設し、看護師が24時間体制で常駐できる体制を確立した。このため、末期がんや難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」など人工呼吸器を使用しているなど医療依存度の高い人や「みとり」の受け入れを可能にした。

 斎藤病院をはじめとする各医療機関とも連携し、万全の体制で臨む方針。障がい者の就労支援にも力を注ぎ、清掃や調理補助などの訓練を経て雇用にもつなげる。

 ホームは鉄筋コンクリート3階建て地下1階。居室は個室8床、相部屋22床の定員30人。前払い金(敷金相当)は7万円、月額は個室7万5000円、相部屋6万5000円。家賃、管理費、食費光熱費込み。介護保険や医療保険、おむつ代、嗜好品などの購入は別途となる。

 ホームは特別養護老人ホーム並みの低価格に設定しているのも目玉の一つ。これまで金銭的な問題で入居することが難しかった人たちへの地域ニーズにも応えた。

 既に30人の定員のうち、石巻市や気仙沼市、仙台市などの70~90代の10人が申し込みを済ませている。

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