花のアーチが入り口を彩り、座席を囲むようにコチョウランの鉢が並ぶ。
5月下旬、開店38周年を迎えた仙台市青葉区国分町のクラブ店内は祝いの花で埋まった。新型コロナウイルス禍で開店記念イベントは2年間、できなかった。
「頑張ってたんだね」。久々に顔を見せた常連客のねぎらいに、運営会社社長でママの斎藤由美子さん(61)は泣きそうになった。客の入りはコロナ前の半分程度で、数人だけの日もある。系列店は閉店に追い込まれた。
「悪者にされちゃったから」。コロナ禍で世間は「接待を伴う店」に厳しい視線を向けた。来店を避ける風潮は今もあると感じる。
接待自粛で企業との結び付きが弱まり、余裕を失ったママ同士の付き合いも薄れた。黙って街を離れた仲間もいる。
「残念な別れがたくさんあった。コロナで、いろんなつながりが壊れてしまったような気がする」
国分町通の小さな生花店が昨年5月、風俗店の無料案内所に変わった。
「飲食店と同じ扱いをしてほしかった」。生花店を営んでいた50代の男性は、今も行政の対応に納得していない。
生花店は時短営業や休業の要請対象外で協力金をもらえなかった。売り上げの大半を占めたクラブやキャバクラからの注文は激減。店を続けるのを諦めた。
コロナ前の売り上げより多い額の協力金をもらったという飲食店のうわさをよく耳にする。「政治家も公務員も、一度だって自分の話を聞こうとしてくれなかった」。恨み節ばかりが口を突く。
コロナ禍は家族の間にも亀裂を生んだ。
「あいつ、頭おかしくなったのかも」。大崎市のインストラクター吉越美穂さん(33)は一昨年夏、下の兄が上の兄に対し、妹の自分をあしざまに言っていたと知りショックを受けた。
2児の母。その年の春先は職場に行くのもスーパーで商品に触れるのも、子どもに感染させないかと不安だった。夏前になり、インターネット上などで飛び交う「コロナは風邪みたいなもの」「ワクチンは安全性が確認されていない」といった言説が心に引っかかった。
「無用に怖がらなくてもいい」。交流サイト(SNS)で持論を発信し続けると、それを見つけた兄たちから連絡が入った。
「何言ってるの」「そういうの、やめた方がいいと思う」。その後、下の兄とは縁が切れたような状態になった。上の兄とは今も連絡を取るが、以前のような関係には戻れずにいる。
その代わり、自ら考えて動く多くのママ友とSNSでつながった。子どもの自然免疫力を高めるコロナ対策などを自治体に求める活動を共にする。昨年夏には大崎や富谷の市長と会い、直談判した。
周囲に同調してばかりだった、かつての自分。今は違う自分がいる。「コロナ禍は悪いことばかりではない」。そう思うことにしている。
続く新型コロナウイルス禍、収束しないウクライナ情勢。倦(う)みと不安が社会を覆い、鬱屈(うっくつ)した空気が私たちを包む。参院選を前に民意の現在地を探る。
河北新報社は8~12日、「読者とともに 特別報道室」の無料通信アプリLINE(ライン)で友だち登録する読者に今回の連載内容に関連するアンケートへの協力を呼びかけ、311人から回答を得た。一般の世論調査とは異なる。
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