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高齢者の目標に 渡辺さん101歳、元気はつらつ 地区の集い楽しみ

桃生地区の高齢者の目標にもなっている渡辺さん

 101歳の高齢にもかかわらず、元気はつらつな人がいる。石巻市桃生町永井の渡辺信(まこと)さんで、89歳の時に文章を書き始めて以来、これまで長寿の秘訣や戦争体験などの手記をまとめた。最近こそ、ペンを持つ機会はないものの、ロシアとウクライナとの戦争には心を痛めており、一日も早い終結を願っている。渡辺さんの存在は桃生地区では知られていて、高齢者たちの良い励みにもなっている。

 渡辺さんは1920(大正9)年8月、仙台市生まれ。42年に臨時招集で朝鮮陸軍部隊に入隊し、国境警備に従事。シベリア抑留を経て47年に復員し、48年当時の桃生村農協に就職した。退職後は、農協理事や保護司、町固定資産評価審査委員、町納税組合連合会長などを務めた。

 市報の依頼で文章を書くきっかけになったという渡辺さん。自らの人生を振り返るように94歳から97歳にかけて「シベリア抑留生活の思い出」「終戦前後の追憶」「我が長生訓」を執筆。特に過酷な戦争体験をつづった二つの手記は親しい人に読んでもらった。

 戦争の悲惨さを身をもって体験している渡辺さんは目下、ロシア、ウクライナ情勢にも関心を寄せ、今後の成り行きを見守る毎日だ。

 長寿の秘訣を問われると「規則正しい生活を心掛けることと、自己管理に努め、自分のことは自分でやること」と笑顔で話す。毎朝6時に起床し、3度の食事と午前の朝寝と午後の昼寝は欠かさない。新聞を読み、大好きな野球を見るのが日課となっている。

 近くに住むひ孫と会うのも生きる原動力になっている。月1回ペースで、地区の元気な高齢者と一緒になって健康体操や、ものづくりなどに励む集いも楽しみの一つで、これからも続けていく考えだ。

 渡辺さんは「十分に長生きした。もうたくさん」と周囲を笑わせながらも、いたって健康そのもの。桃生地区の民生委員西條やす子さん(70)は「渡辺さんは地区の高齢者の目標になっています。私もこうありたい」と話している。

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