長純一氏が死去 元包括ケア所長、被災者の医療に尽力
東日本大震災で被災した住民らの診療に尽力した元石巻市包括ケアセンター所長で医師の長純一(ちょう・じゅんいち)氏が28日午後3時38分、膵臓(すいぞう)がんのため市内で死去した。56歳。東京都出身。一般弔問は30日午後6時からと7月1日午前10時から、石巻市大街道北3の3の8、石巻大街道斎場清月記で。喪主は妻明子(あきこ)さん。
体調を崩して5月下旬ごろに医療機関を受診し、自宅で療養。21日に動画配信で末期の膵臓がんであることを発表していた。
長氏は震災後の2012年に長野県医療団長として石巻市を訪れ、市内最大の仮設住宅団地に開設された市立病院開成仮診療所長として被災者の心身のケアに当たった。
21年2月まで市包括ケアセンター所長や雄勝診療所長などを務め、地域包括ケアの推進やコミュニティー再生にも取り組んだ。同4月の石巻市長選と10月の知事選にそれぞれ無所属で立候補し、落選。市内の医療機関の院長を務めていた。
長氏の支援組織会長で仮設団地の自治会長として連携した山崎信哉さん(86)は「住民のために24時間365日対応してくれ、安心感をもらった。石巻のためにもっと活躍してほしかった。残念で、悔しい」と悼んだ。
支援組織「未来へ、いのちをつなぐ石巻の会」は後日、しのぶ会を開く予定。