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安倍元首相、銃撃され死亡 石巻地方も大きな衝撃 震災復興に手腕発揮

2019年参院選の候補者応援のため石巻市蛇田で演説する安倍首相(当時)

 8日午前11時半ごろ、奈良市内で参院選の街頭演説をしていた自民党の安倍晋三元首相(67)が銃撃され、搬送先の病院で死亡した。東日本大震災からの復興を指揮してきた元リーダーが突然の凶行に倒れ、石巻地方の関係者も衝撃と落胆に包まれた。

 安倍首相は2012年12月に第2次内閣を発足させ、東日本大震災からの復興を指揮した。17、18年の被災地視察で応対した東松島市の渥美巌市長は「あってはならないこと。残念だ」と語った。

 「何度も足を運び、親しく耳を傾けてくれた。決断力と実行力があり、外交でも存在感を発揮した」と手腕を評価した。銃撃事件が世界に伝わることで「安全で安心な国という印象が崩れ、訪日観光にも影響が出るのではないか」と懸念した。

 石巻市のNPO法人「やっぺす(前石巻復興支援ネットワーク)」の兼子佳恵元代表理事(51)は首相官邸での授賞式などを含め4回ほど対面した。連れて行った孫にも親しく接してくれたといい「報道で見る姿とは少し違い、とにかく優しく、良い人だった」と声を落とした。

 安倍元首相が「女性活躍」を推進してから、やっぺすの活動が注目されたという。「仮設住宅にも来てくれ、住民の話を丁寧に聞いてくれた」と振り返った。

 石巻魚市場前社長で石巻市水産振興協議会の須能邦雄会長(79)は震災後の視察で案内役を務め、水産業界の課題などを説明した。「石巻地方の復興に理解を示し、水産業の発展に貢献してくれた。惜しい人を亡くした」と話した。

 女川町のシーパルピア女川で果物店を営む相原義勝さん(74)は在任中の視察で2度訪問を受け、店内にはツーショット写真を飾る。「『復興に向けて頑張って』と言ってくれた。気さくで話しやすかった」と印象を語った。

 銃撃事件の発生は来店客から聞いて知った。「テレビをつけて本当に驚いた。なぜこんなことが起きたのか」と憤った。

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