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いじめや不登校の防止へ 石巻・鹿又小、縦割り活動に力

静かに黙々と階段を清掃する児童たち

 石巻市鹿又小(児童319人)は、子ども同士の豊かな人間関係や思いやりの気持ちを育てようと、縦割り班活動に力を入れている。題して「なかま活動」。6年生が企画する月2回の遊びと、毎週水曜日の昼清掃だ。1年間を通じて異年齢が交流する実践は県内でも珍しく、いじめや不登校の未然防止につながる絆づくりの活動として注目される。

 少子化の進行やゲーム機の普及などで、地域でも子ども主体で異年齢や男女で遊ぶ姿はほとんど見られなくなっているのが現状。

 鹿又小のなかま活動はこうした現状を踏まえた。上学年と下学年混合の縦割り12班を構成し、高学年のリーダーシップの下、みんなで楽しめる遊びの活動を毎月第2、第4水曜日に実施している。

 毎週水曜日の昼清掃は廊下や階段、トイレ、図書室、教室を縦割り班ごとに担当場所に分かれて行う。児童たちは静かに黙々と掃除を進める。

 6月22日は鬼ごっこや椅子取りゲームといった遊びの活動と昼清掃が行われた。上級生と下級生は兄弟のように仲良く遊んだほか、互いに協力して手際よく校舎内を清掃した。

 鹿又小はなかま活動を2018年から続ける。多様な人と関わる力を育み、人間関係づくりの素地を養う狙いがあり、教育的効果は大きい。

 浦山正幸校長は「6年生は頼りにされ感謝されることで自己有用感が高まり、思いやりの気持ちが芽生える。下級生は年上を尊敬し憧れを持ち、何かあったら助けてくれる安心感を抱く」と説明する。

 同校で学んだ異年齢の絆づくり、人間関係づくりは汎用(はんよう)できるという。浦山校長は「大人になってから地域で知り合い、同郷のつながりは大切な要素となる。学校はみんなの家族。その意識が芽生え、育まれていくよう、なかま活動を続けていく」と語る。

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