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石巻地方の海水浴場、今季6カ所オープン あす2カ所が先陣

12年ぶりにオープンする野蒜海水浴場

 石巻地方は今季、6カ所の海水浴場が開設される。東松島市の野蒜海水浴場と石巻市の十八成浜海水浴場は東日本大震災後初めての海開きで、残り4カ所は新型コロナウイルスの影響で3年ぶりとなる。十八成浜と東松島市の月浜海水浴場は、先陣を切って16日にオープンする。

 震災前に県内有数の入り込み数を誇った野蒜海水浴場では、海岸線3キロのうち、第2海水浴場として利用されていた宮戸寄りのエリアを遊泳区域とする。新たにビーチバレーとビーチテニスの兼用コートが設けられ、周辺に駐車場やトイレ、災害時の一時避難場所となる防災棟が整備された。

 12年ぶりの海開きに向け、砂浜では海の家を運営する奥松島ビーチハウス組合と東松島観光物産公社が準備に追われている。

 ビーチハウス組合は、カレーライスや焼き鳥、かき氷などを提供する。復興支援のボランティアをきっかけに市内に移住し、野蒜海岸でのイベントなどに携わってきたビーチハウス組合の関口英樹さん(54)は、「イベントを機に、震災後初めて海に来られたと言っていた人もいた。海水浴場が再び海へ足を運んでもらうきっかけになればうれしい」と話す。

 野蒜海岸は津波で堤防や松林が破壊され、県は1~3.2メートルほどかさ上げした海抜7・2メートルの防潮堤(延長2896メートル)を整備した。防潮堤の上には県道奥松島松島公園線を移し、昨年12月に工事が完了。付近では震災後に植樹されたクロマツの生育も進む。

 震災前は毎年多くの人々でにぎわい、2010年には約4万8000人が訪れた。野蒜まちづくり協議会の渡辺克己会長(64)は「町の名前を知らなくても野蒜海岸は知っているという人がいるほど親しまれた場所だった。震災後は高台や他の地域に移った人もいる中、地域が一歩一歩進むことは心の復興につながる」と再開を喜ぶ。

 各海水浴場の開設期間は次の通り。震災後に休止が続く石巻市の荒浜海水浴場は今夏も開設を見送る。

▽十八成浜、月浜(7月16日~8月21日)
▽野蒜(7月20日~8月21日)
▽石巻・網地白浜(7月22日~8月21日)
▽石巻・渡波、白浜(7月23日~8月21日)

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