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女川の夏「みなと祭り」、12年ぶり 海上で獅子乱舞

大漁旗などで彩られた漁船で12年ぶりに披露された海上獅子舞

 女川町の夏を彩る「第55回おながわみなと祭り」(おながわ四季のまつり実行委員会主催)が24日、町海岸広場周辺で12年ぶりに開かれた。多くの来場者が伝統芸能などを楽しみ、町が活気づいた。

 メインの海上獅子舞は女川湾であり、町内10地区の保存会などが運航。各地区で装いの異なる獅子がおはやしに合わせて勇壮な舞を見せると、岸壁で見守る来場者が大きな拍手を送った。

 祭りの復活に町民も感慨深げだ。「すばらしい女川を創る協議会」の斎藤俊美会長(84)は「規模は昔と違うが、世代を問わずに集まれる場所があるのはいいことだ」と話し、同町桐ケ崎の鈴木正隆さん(75)も「獅子舞を見ると気分が高まる。にぎわいが戻ったことがうれしい」と喜んだ。

 このほか、県指定無形民俗文化財「江島法印神楽」の演舞や女川小鼓笛隊、女川中吹奏楽部の演奏があった。演歌歌手丘みどりさん、女川町観光大使を務める山口ひろみさんのショーも花を添えた。

 祭りの最後は湾内で花火が打ち上げられた。おながわみなと祭り協賛会の高橋正典会長は「夏の風物詩だが震災で亡くなった方への鎮魂の思いも伝えたかった」と述べ、須田善明町長も「これまでの思い出も大切にしつつ、今後につなげていきたい」と語った。

 祭りは海に感謝し、町や基幹産業の水産業の発展などを願う意味が込められているが、震災で町が甚大な被害を受けたことから2010年の第54回を最後に中断。20、21の両年に復活開催を予定したが、新型コロナウイルス感染拡大を受けて延期していた。

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