石巻川開き祭り・大縄引き 10チーム、白熱の力比べ 沿道盛り上げる
石巻川開き祭りは6日、石巻市中心市街地でさまざまな催しが繰り広げられた。陸上行事のオープニングを飾った縄張神社奉納大縄引き大会では、一般の部の10チームが熱戦を展開。夜には北上川に灯籠約2000個を流し、東日本大震災の犠牲者を悼んだ。新型コロナウイルスが急速に感染拡大する中での開催となったが、多くの市民が感染対策のルールを守って祭りを楽しんだ。
今年で13回目となった「縄張神社奉納大縄引き大会」は石巻市の立町大通りで開催され、一般の部の10チームが優勝を争った。熱い力比べが沿道の観客を盛り上げ、祭りの開幕を華々しく飾った。
大会を制したのは野球部員で構成した石巻専修大チーム。4年前に優勝経験があるチームは、競技中にも縄を引く方向を修正するなど冷静な判断力を発揮した。決勝は社会人チーム「NT9000」と対戦。4試合目の疲労感も見せず、2本先取の試合をストレートで勝利した。
例年は観客も参加していた神事「大縄引き」は大会参加者のみで実施した。東西に分かれて縄を競い合い、豊作を意味する西側が勝った。
予定されていた高校生の部は新型コロナの影響で出場チームが辞退し、中止となった。
<優勝、石巻専修大チーム>
野球部の選抜メンバーで構成。大会3週間前から週に2、3回の練習を重ね、本番で力を見せつけた。
「若い力で地域の祭りを盛り上げようと、専修大のプライドを持って挑んだ」と酒井健志監督(44)。優勝には監督がおごる焼き肉が懸かっていた。阿蘇航新(こうしん)キャプテン(21)は「チーム仲の良さが勝利につながった。優勝できてめちゃめちゃうれしい」と笑顔を見せた。
声援や掛け声自粛、拍手でエール
新型コロナウイルス感染拡大が続く中で開幕した石巻川開き祭り。会場には浴衣にマスク姿の若者や家族連れらが詰めかけ、コロナ禍に対応した新たなスタイルで祭りを楽しんだ。
大縄引き大会では選手たちがマスクやマウスシールドを着けて競技に臨み、掛け声も自粛。沿道の観客も声援は控え、拍手をしたりタオルを回したりしてエールを送った。
制限がある中での競技になったが、初参加したチーム「子ども食堂ぼんず」の門間妃登美さん(44)は「すごく楽しかった」と笑顔で振り返った。
中心市街地3カ所と石巻商工会議所駐車場の「お祭り広場」には手指の消毒や検温ができるゲートが設置され、係員が通過してから入場するよう協力を求めた。祭りの実行委員会は歩きながらの飲食を禁止し、特設の飲食スペースなどを利用するよう呼びかけた。