女川湾戦没者を慰霊 平和願う志の継承誓う
1945年8月9、10の両日、女川湾で連合国軍との激しい戦闘の末、撃沈された旧日本海軍の海防艦「天草」の犠牲者ら158人を弔う「女川湾戦没者慰霊祭」が9日、女川町の鷲神公園であった。
主催する「女川湾戦没者を慰霊する会」の木村征郎代表(77)や、旧日本海軍防備隊通信兵の川村孝太郎さん(98)=仙台市在住=のほか、女川町の須田善明町長ら約20人が参列し、全員で黙とうをささげた。
木村代表は「慰霊祭を始めたころの関係者も亡くなるなど時の流れを感じるが、戦争の悲惨さや平和への願いを途切れさせてはいけない。これからも先人の方々の志を継承していく」とあいさつ。須田町長らが公園内にある慰霊塔に献花し、戦没者の冥福を祈った。
戦没者慰霊塔は66年8月、町内の崎山公園に建立され、全国から遺族や関係者が参列する大規模な慰霊祭が開かれてきた。9年前には「慰霊する会」を設立し、近親者で慰霊祭を継続している。東日本大震災の影響で慰霊塔の移設もあり、昨年から鷲神公園に会場が変わった。