道の駅グランプリ 「上品の郷」が全国2位 リニューアル奏功
リクルートの旅行情報誌「じゃらん」が実施した利用者満足度調査による「全国道の駅グランプリ2022」で、石巻市小船越の道の駅「上品の郷」が2位に選ばれた。レストランやショップのリニューアルなど近年の積極的な取り組みが高い評価につながったとみられる。
満足度調査は2020年に開始。上品の郷は初年度はトップ10圏外だったが、21年は5位にランクイン。今年は利用経験者116人のうち97人(83.6%)が「満足した、良かった」施設に選び、順位を上げた。
全国1位は群馬県川場村の「道の駅 川場田園プラザ」で、満足率は90.5%だった。昨年まで2年続けて全国1位だった大崎市の「あ・ら・伊達な道の駅」は83.2%で、上品の郷に続き3位だった。
上品の郷は21年4月に直営レストランをフードコートにリニューアル。今春には直売所入り口のアウトテナントを一新。地元事業者がスイーツや総菜、コーヒー、水産物などを扱う4店をオープンし、買い物機能を高めた。
新型コロナウイルス感染拡大で激減した利用者も回復傾向にある。21年度は約65万人で、前年より2割増えた。コロナ禍でも可能なイベント開催を増やしているほか、需要が高まる車中泊の利用も受け入れ、集客につなげている。
浮津康逸駅長(77)は「レストランやテナントのリニューアルはスタッフが何度も協議を重ねて頑張った結果。2位は素直にうれしい」と話した。
満足度調査は3月にインターネットで実施し、20~50代の3805人が回答した。全国約1000カ所から選ばれた66施設を対象に、過去3年以内に利用した中から満足度の高かった施設を三つまで選択してもらった。
ファンからの激励? 現金入り礼状届く
石巻市小船越の道の駅「上品の郷」に4日、1通の封書が届いた。中には、上品の郷ファンを名乗る「Talking Cat」のペンネームで「いつも利用させて頂いております。心より感謝申し上げます。少しではございますが、ご自由にお使い下さい」と書き添えた内袋があり、その中には1万円札が1枚入っていた。
切手の消印には「石巻」「4・8・2」「12-18」とあり、8月2日の午後、石巻市内で投函されたらしい。「いつも利用」の文言や字体、花柄の内袋などから、スタッフたちは石巻地域に住む女性ではないかと推測している。
今までも多くの意見や礼状が寄せられたことはあるが、現金の寄付は初めてという。浮津康逸駅長は「直接、お礼を伝えたい。ぜひ連絡してほしい」と感謝する。
折しも道の駅満足度で全国2位となった上品の郷。スタッフたちは「さらに努力して全国1位を目指せという激励かもしれない」と感激し、地元に愛されてこそ支援の輪が広がる「道の駅」の使命をかみしめしている。一方で感謝の気持ちをどう表すかを思案中で「上品の郷をさらに良くするアイデアをコンテストで募集し、その賞金、賞品代にしよう」「商品開発費用にしてはどうか」と、真剣な議論が続いている。