閉じる

近場の推しスポット>私設「平和資料館」(石巻市北村)

特別企画展「戦争と軍馬」の展示物を鑑賞する小学生=8日
額縁に入った千人針を見せる佐々木さん

 連日、熱暑が続く。石巻地方の方々の「推し(お薦め)スポット」を記者が訪ね、昨年4~6月に連載した。新型コロナウイルス対策に気を付けつつ、身近で楽しめる場を求めて再び出かけた。

   ◇

<戦争伝える4000点>

 白鳥の飛来地として知られる石巻市北村の大沢堤から車で1分ほど行った木造2階建て住宅。中に入ると、幕末からの戦争に関する約4000点の展示物が目を引く。その名も私設「平和資料館」だ。

 元女川高校長の佐々木慶一郎さん(75)が「平和の尊さを後世に伝えたい」と長年にわたり集めた資料を自宅に展示する。50畳の広さの和室や2階まで通じる廊下には貴重な資料が所狭しと並び、来館者は圧倒される。

 毎年、終戦記念日を控える7月から特別企画展を開催する。今年は7月19日~8月10日に「戦争と軍馬」のテーマで100点の展示物を1階座敷で紹介。仙台市や登米市迫町などから中高年層が訪れ、関心の高さをうかがわせた。

 佐々木さんは「展示物は全て本物。レプリカでは戦争の悲惨や平和の尊さは伝わらない」と説明する。

 ロシアによるウクライナ侵攻に人一倍心を痛める佐々木さん。「かつての日本もあの(ウクライナの)ような状態だった。だからこそ戦争を知らない小中学生に来てほしい」と語る。

 見学するには予約が必要。連絡先は佐々木さん0225(73)4057=平日午前9時~午後4時=。

<ここツボ> 介護職員・鶴飼克之さん(46)=東松島市矢本=
 小学6年生の娘を連れて来ました。ロシア・ウクライナの紛争もあって、平和の尊さや戦争の悲惨さを知ってもらいたかったのが理由です。娘は千人針や広島の原爆で溶けた瓦の一部などに興味を示したようで夏休みの自由研究のテーマにするようです。従軍看護婦(士)のビデオや資料も豊富。佐々木さんの解説も子どもにとって戦争、平和について考える良い機会になると思います。

(桜井泉)

関連タグ

最新写真特集

石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告、休刊日などについては、こちらのサイトをご覧ください

ライブカメラ