記者ログ(8/17):楕円の哲学

 自民党の大平正芳元首相が唱えた「楕円(だえん)の哲学」。対極する二つの考えを緊張関係の中で擦り合わせ、一つの輪(和)を目指す政治手法と理解している。

 7月の参院選では、楕円の均衡が二つの意味で崩れた。野党第1党の立憲民主党の敗北と、安倍晋三元首相の死去である。

 立民は比例代表で日本維新の会に負け、昨年の衆院選から地盤沈下が著しい。勝つためなら何でものみ込む気迫も結束力も感じられなかった。再建は容易ではない。

 首相辞任後も最大派閥を率い、強い影響力を保った安倍氏を失い、自民も動揺する。くしくも世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題が明るみに出て、政治と宗教の関係が改めて問われている。

 大平元首相の流れをくむ宏池会トップの岸田文雄首相は、持ち前の「聞く力」を発揮し、楕円の哲学を実践する局面だ。分断を招くような結論を避けるのは言うまでもない。(報道部・瀬川元章)

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