閉じる

シネマの灯、石巻中心部に再び 複合エンタメ施設「キネマティカ」が本格始動

シアターキネマティカ初の映画祭に詰めかけた親子らでにぎわうホール

 石巻市の新たな複合エンターテインメント施設「シアターキネマティカ」(中央1丁目)が13、14の両日「いしのまきこども映画祭」で本格的に始動。初の映画祭には親子らが詰めかけ観賞、街の中心部に久しぶりに映画の灯がともった。

 石巻劇場芸術協会が5日にオープンさせたシアターキネマティカのこけら落としで、作品はアニメ「おまえうまそうだな」。ポプラ社(東京都)の人気絵本が原作で13日は2回、14日は1回、ホールで上映した。新型コロナウイルス感染症の影響で各回とも定員30人と限定したが、どの回も親子らでにぎわった。

 13日に孫と見に来た千葉栄志さん(72)は「私は登米市の人間だが、孫は釜小4年生。街中に孫と一緒に楽しめる劇場ができてうれしい」と話した。

 こども映画祭に協力したポプラ社の千葉均社長(59)は石巻市出身。会場に駆けつけた千葉社長は「大人と子どもが触れ合う体験は大事。それがかなう場が街中にできた。劇場は同じ空間、時間を共有する特別な場所。文化の拠点として根付いてほしい。応援していきたい」と強調した。

 空き店舗を改修したシアターキネマティカは、ホールとカフェ(合わせて約100平方メートル)から成り立っている。特に最大50人収容のホールは映画や芝居が楽しめる。東日本大震災後、娯楽や文化を老若男女が共に享受できる小屋が消えただけに、キネマティカでの初の上映は街中に活気を取り戻していた。

 石巻劇場芸術協会のメンバーとして矢口龍太さん(39)とともにオープンに尽力した阿部拓郎さん(34)は「子どもだけでなく一緒に来た親や祖父母も喜んでくれた。子どもから大人まで愛される施設にしていける手応え感じた。さまざまな楽しみ方ができる文化の拠点にしたい」と誓った。

 シアターキネマティカ第2弾は27日午後5時半から。パフォーマンスアートイベント「eye drops」が行われる。

パフォーマンスアートイベント「eye drops」 - 石巻劇場芸術協会 | シアターキネマティカ

関連リンク

石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告などについては、こちらのサイトをご覧ください ≫

ライブカメラ