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しょくば拝見>養殖・加工業 ワタキ水産(石巻市谷川浜)

家族全員で海の恵みを食卓へ届ける

<家族でホヤの極み追求>

 牡鹿半島の石巻市寄磯浜から谷川浜、祝ノ浜まで続く懐の深い鮫ノ浦湾でホタテとホヤの養殖業を営む。東日本大震災で被災したが、谷川漁港の近くに加工場を兼ねた事業所を構える。

 建物の看板は「渡喜水産」。先祖由来の名前だ。今は渡辺喜代寿(きよじ)さん(71)が代表で、妻の恵美子さん(69)、長男夫婦の隆太さん(38)、富美子さん(37)の家族4人で名前を守る。

 隆太さんの名刺には「ワタキ水産」、震災後に取り組むホヤの加工品販売用に作ったパンフレットには横文字の「WatakiSuisan」。時代の動向が表記に反映している。

 湾に注ぐ沢水が運ぶ森のミネラルで極上のホヤとホタテが育つ。ホヤはかつての3年ものから、身入りと栄養分が増した4年ものを生産。ホヤならではのうまみが格段に向上している。

 隆太さん夫婦の子どもたちも貴重な戦力。「子どもが安心して食べて、おいしいものを」。商品価値の厳しい審査員だ。ホヤ加工品は現在4種。むき身をカットし、ライムを添えた「生ほや~ライムの香り」、いろいろな料理に使える「ほやオリーブ」などで、消費拡大を狙う。

 県内加工業者や生産者らで5月、「宮城ほや協議会」を設立。鮮度管理を徹底し、地域ブランド「ほやの極み」と認定する取り組みを開始。震災で販路は減ったが、ホヤの消費拡大を考える機会とした。売るための工夫と努力。SNS時代を生きる新しい漁師として石巻の豊かな海の幸を全国の食卓に届ける。

■事業概要
 代々続く、漁師一家。長年、水産業に従事し、近年はホヤとホタテの養殖に特化した生産を行う。従業員は家族4人。石巻市谷川浜前田78。090(1932)6462。
ホームページ(HP) https://watakisuisan.stores.jp

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