石巻・河南地区で「動く市長室」 住民、地域活性策求める
石巻市長が地域に出向いて市政への意見を聞く「動く市長室」が市河南母子健康センターで開かれた。出席した住民は空き家を生かした地域活性化策の実施や雨水排水対策の強化などを直接要望した。
河南地区の住民約20人が参加した。前谷地地区の女性は地区内の空き家を活用して美容室の開業を考えている若者がいることを紹介。「助成金制度はあるが、中心市街地以外は対象にならないと聞いた。中心部から離れた地域でも活性化は必要だ」と訴えた。
斎藤正美市長は「大事な意見だ。同じ石巻市なので中心市街地以外での支援策も考えたい」と応えた。
鹿又地区の男性は排水路の改良を求めた。東日本大震災後に排水機能が落ち、市に要望を続けてきたが改良工事は実施されていないという。男性は「先日の大雨でも道路が冠水した。非常に危惧している」と早期の対応を直訴。斎藤市長は「前に進めている。早い機会に着工したい」と語った。
参加者からはその他、7月中旬の大雨で被害を受けた農地への支援策や若者の定住につながる雇用の場の確保などを求める意見が上がった。
震災後に休止していた動く市長室は昨年11月に再開した。新型コロナウイルス感染拡大で前年度の開催を中止した河南地区は今月3日に開き、河北地区でも25日に実施した。年度内に各地区で開催予定で、9月27日は牡鹿地区の網地島で開く。稲井、蛇田、渡波、荻浜の4支所でも意見交換会を実施する予定。