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語り継ごう戦争記憶 伝誦会、東松島市教委へ絵本25冊 会長の体験を基に制作

絵本を贈った伝誦会の三浦会長(左から2人目)らと志小田教育長(左)

 戦争体験を語り継ぐ活動に取り組む東松島市の任意団体「伝誦(でんしょう)会~戦争の記憶を後世に伝える」は8月30日、会が制作した絵本25冊を東松島市教委に贈った。

 絵本は三浦亨子会長(84)の実体験を基にした「あんもちとチョコレート」。旧矢本町で生まれ、家族とともに旧満州(中国東北部)で7歳まで過ごした三浦会長が日本に引き揚げるまでの物語をつづっている。

 生活費の足しにしようと母が作るあんもちを売り歩いたことや、終戦後に中国兵からチョコレートをもらったことを紹介。帰国途中の道のりでは、離れ離れにならないように家族の体を白い帯でつないだエピソードも描かれている。

 贈呈式が市役所であり、志小田美弘教育長は「母から戦争の話を聞いてはいたが、今の子どもたちにも伝えていくことが本当に大事だと思う。学校と図書館で大切に使いたい」と感謝した。

 絵本は市内の全11小中学校に2冊ずつ、市図書館に3冊寄贈。三浦会長は「親子の絆があって日本に帰ってこられた」と振り返り、「この絵本を通して、苦労があっても頑張って乗り越えれば必ずいいことがあると伝えたい」と語った。

 伝誦会は今年6月に市民有志らで設立した。高齢者施設や小学校などから依頼があれば絵本と同じ内容の紙芝居を上演するという。

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