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津波避難、リアルに体験 震災遺構・門脇小で防災学習会 語り部が教訓

津波避難を考えるツナミリアルの体験会

 石巻市の東日本大震災遺構「門脇小」で、語り部の体験を基に津波からの避難を自分事として考えてもらう「ツナミリアル」の体験会や、リチャード・ハルバーシュタット館長による館内ガイドなどで構成する防災学習プログラムが行われた。参加者は震災の教訓や防災に理解を深めた。

 プログラムは8月19日から21日まで行われた。ツナミリアルの体験会には約20人が参加。石巻市の元小学校教諭、徳水博志さんが、震災当時勤めていた市沿岸部の小学校での出来事を紹介した。

 地震発生後に学校から裏山などに児童を避難させた経過や、その後の学校の対応を時系列で説明。参加者には避難の判断を迫られる場面ごとに、自分が教師なら子どもたちを守るためにどのような行動を取るかを用紙に書いてもらった。

 徳水さんは教訓として、地域ぐるみの避難訓練や、想定外の出来事に対する臨機応変な行動の必要性を強調。「非常時に教育委員会の指示が途絶えると(現場の)学校と教師が判断することになる。何を基準にするかが問われるが、子どもの命と幸せを第一優先にすれば間違うことはない」と語った。

 参加した元高校教師で書道塾経営の谷口蘇光(そこう)さん(72)=京都府福知山市=は「子どもたちが助かるかどうかの判断はとても重い。いかに学校と地域が日常的に連携し、信頼関係をつくっておくかが大事だと感じた」と話した。

 ツナミリアルは語り部の体験を共有し、参加者に津波避難を自分事として考えてもらう疑似体験プログラム。約30分という短時間で集中して取り組むことができる。東北大災害科学国際研究所の佐藤翔輔准教授から指導を受け、一般社団法人石巻震災伝承の会が開発した。

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