サンマ、待ってた! 女川魚市場に初水揚げ 昨季上回る33トン
女川町の女川魚市場に28日朝、今季初めてサンマが水揚げされた。昨季と同時期で、2年連続で9月末の水揚げとなった。前年の初水揚げ時の18トンを大きく上回る33トンが輝き、市場はようやく登場した「秋の味覚」に活気づいた。
午前5時半ごろから長崎県雲仙市の第3太喜丸(199トン)が北海道東沖約1000キロの公海で漁獲したサンマを水揚げした。100グラム前後の小型が主体だったものの、1キロ当たり500~800円と高値で取引された。
管野清隆漁労長(52)は「昨年の同じ時期よりサイズが大きく、脂も乗っている。今後はもっと良いものが捕れるはずだ」と期待した。
町を代表する魚種の水揚げに関係者も安堵(あんど)の表情を浮かべる。須田善明町長は「秋の訪れを感じることができて一安心。苦しい状況は変わらないが、少しでも漁模様が上向いてほしい」と話した。
女川魚市場の丹野秀之専務は「小型でも刺し身や塩焼きで楽しむには十分。金額もまずまずだったので、今年は目標の1万トンに届いてほしい」と願った。
近年のサンマ漁は、記録的な不漁に加え、漁場の遠方化、燃料代の高騰に見舞われている。全国有数の水揚げを誇る女川魚市場も同様で、昨年の水揚げは1236トン。全国3位になった2020年の5060トンに遠く及ばなかった。
不漁の影響もあり、町では秋の恒例イベント「おながわ秋刀魚(さんま)収獲祭」について、名称変更などをして開催することを決めている。