英語で訪日客おもてなし 市民ガイドら表現磨く 震災伝承「地元の声で」
アフターコロナを見据えインバウンド(訪日客)の受け入れ態勢を強化しようと、石巻観光ボランティア協会が英語での観光案内力を磨いている。外国人講師を招いて6月から月1回、研修会を開催。英会話や外国人観光客を案内する時のポイントを学び、街の魅力を伝えようと意欲を燃やしている。
9月26日に石巻市中央2丁目のかわまち交流センターであった3回目の研修会には、会員のほか市内の英会話教室の生徒ら約15人が参加した。英国出身で市の東日本大震災遺構「門脇小」館長のリチャード・ハルバーシュタットさん(56)を講師に迎え、市内の名所を説明する時のポイントを学んだ。
観光スポットとして中心市街地の「いしのまき元気いちば」や雄勝地区の道の駅「硯上(けんじょう)の里おがつ」などをピックアップ。施設の特徴のほか、サバの缶詰や笹かまぼこ、海鮮丼といった名物の英語表現を確認した。
参加する斎藤祐子さん(63)は「リチャードさんに外国人目線でガイドのこつを教えてもらえ勉強になっている。コロナが収束し観光客が来た時に生かせるよう準備したい」と語る。
研修会は全5回の予定。観光だけでなく、東日本大震災の被害状況や教訓も英語で発信できるよう学んでいる。参加無料で誰でも受講できる。
斎藤敏子会長は「一般の通訳は英語は堪能だが、街や震災のことはよく知らず説明半分で終わってしまう。市民ガイドが英語で案内できるよう学び、仲間も増やしていきたい」と話した。