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伝統守る勢子の声響く 金華山で鹿の角切り

シカを捕らえる勢子

 石巻市の離島・金華山の鹿山公園で2日、秋の伝統行事「鹿の角切り」(実行委員会主催)があった。シカを追い立てる勢子(せこ)の掛け声が会場に響き、捕獲すると約170人の観客から大きな拍手が上がった。

 市内の「鹿友華角会(ろくゆうかすみかい)」の勢子や金華山黄金山神社の職員ら計約25人が参加。角切り場に雄ジカ8頭が放たれ、竹ざおを手にした勢子が陣形を組んで1頭ずつ追い込み、角をつかんだり投げ縄を使ったりして6頭を捕らえた。神社職員がのこぎりで6頭の角を根元から切り落とし、山に放った。

 獣医学の専門家が同席し、体への負担が大きいと判断した2頭は捕らえずに山へ返した。

 角切りは秋に発情して気性が荒くなる雄ジカから参拝客や他のシカの安全を守ろうと1963年に始まった。鹿友華角会の斎藤克彦会長(51)は「金華山の伝統を守る行事。来る人の安全のために続けたい」と話した。

 切り落とした角の1対は抽選で観客に贈られた。角を受け取った仙台市泉区の自営業砂子勝明さん(49)は「シカの状態を第一に考えてやっている神聖な儀式だと知った。角は家の神棚に飾りたい」と語った。

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