防潮堤に巨大壁画 「雄勝の青」制作、地元住民ら下地塗り 来月お披露目
東日本大震災で被災した石巻市雄勝地区に建設された防潮堤に巨大壁画を描く「海岸線の美術館」プロジェクトで、地元住民らが壁画の下地をつくるイベントが現地で行われた。
プロジェクトの第1弾となる壁画は雄勝港にある防潮堤の縦7.5メートル、横54.6メートルの区画で制作する。東京都の芸術家安井鷹之介さん(28)が雄勝の各浜の風景や人々の営みを描く。
下地づくりは9月16日から19日にかけて行われた。17日は地域の子どもや保護者ら数十人が高さ約2メートル、幅約18メートルの範囲で青や緑といった色をペンキで塗り、海を表す「雄勝の青」の下地を描いた。
母、兄と参加した杉山樂斗(がくと)ちゃん(4)は「水色をたくさん塗ることができて楽しかった。カラフルな絵になってほしい」と話した。
今後は安井さんが住民の協力やアイデアを得ながら壁画を仕上げ、11月下旬にお披露目会を開く。安井さんは「想像を膨らませて楽しそうに描く姿がうれしい。住民が今ある物を大切に手入れしながら生活する姿や山、海の風景を残したい」と語った。
プロジェクトは石巻市の一般社団法人「SEAWALL CLUB(シーウオールクラブ)」が計画。高さ最大9.7メートル、全長3500メートルの防潮堤の壁面に絵画などを描き、来訪者に自由に鑑賞してもらう。