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サン・ファン館 リニューアルで長期休館、来月から あす祭り

展望棟上部からの景観。復元船が係留されていたドック(中央)は埋め立て、広場になる

 石巻市渡波の県慶長使節船ミュージアム「サン・ファン館」がリニューアルのため、11月1日から長期休館に入る。再開は2024年度中の見込み。老朽化などでことし解体された木造復元船サン・ファン・バウティスタ号の後継となる新たな復元船の展示に加え、常設展示室の展示内容やドック棟の強化、改修などが図られる。23日には、サン・ファン祭りが開かれる。

 新しい復元船は繊維強化プラスチック(FRP)製で、木造復元船の4分の1サイズ。全長約20メートル、最大高は約15メートルになる見込み。拡張現実(AR)の技術を使って帆を張った様子も見ることができる。木造復元船が係留されていたドックを埋め立てた後の広場に展示する。

 16年4月から利用できなくなっていたドック棟は東側を全面屋内化、西側を半屋外にして多目的に使える空間とする。

 常設展示室の展示物リニューアルは1996年の開館以来。遣欧使節がたどった航路や寄港先の様子などを大型の地球儀に映し出したり、イラストを多用したりする。シアター映像の充実も図る。

 リニューアル工事は年内にも始まる。同館企画広報課は「より分かりやすく遣欧使節の偉業を伝える。ドック棟は船を眺めながら自然を感じられる空間になる」と説明。牡鹿半島入り口という立地もあり、半島の歴史、風土の発信にもより力を入れていく考え。休館中も駐車場、展望スペースなどは利用できる。

 29日にはシンポジウム「未来への航海~新しいサン・ファン館に期待するもの」を同館セミナールームで開く。博物館、観光、教育などさまざまな観点から意見を交わす。午後1時半から。入場無料だが、事前申し込みが必要。

 連絡先は0225(24)2210。

サン・ファン祭り、通常開催3年ぶり

 サン・ファン祭りは23日午前10時からサン・ファンパークをメイン会場に開催される。休館前最後の日曜日をにぎやかに盛り上げる。午後4時まで。実行委員会主催。

 中央ステージでは伝統芸能やジャズバンド、吹奏楽などが披露される。雄勝町伊達の黒船太鼓保存会、渡波獅子風流保存会、石巻ジュニアジャズオーケストラ、渡波中吹奏楽部などが出演。歌と踊り、チアリーディングもある。

 水産加工品などの販売やブース、キッチンカーも多数出店。石巻青年会議所主催の宝探しアドベンチャー(参加費100円)もある。サン・ファン館ではクジラのヒゲを使った装飾品作りのワークショップ(同300円)などを開催。当日はサン・ファン館入館無料。

 祭りは新型コロナウイルスの影響で2020年は中止、21年はオンライン開催となり、通常の形での開催は3年ぶり。例年は5月に開催していた。

リニューアルに伴う長期休館 - サン・ファン館|宮城県慶長使節船ミュージアム
第29回サン・ファン祭り - サン・ファン館|宮城県慶長使節船ミュージアム

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