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世界最高峰の自然写真賞 石巻出身の高砂さん、自然芸術部門で最優秀賞 日本人初

ロンドン自然史博物館での授賞式に臨んだ高砂さん
WPY「自然芸術部門」で最優秀賞を受賞した高砂さんの「ヘブンリー フラミンゴズ」(c)JUNJI TAKASAGO

 石巻市出身の自然写真家高砂淳二さん(60)=東京都=の作品「ヘブンリー フラミンゴズ」が、英ロンドン自然史博物館主催「ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」(WPY)の「自然芸術部門」で、日本人初の最優秀賞に輝いた。自然写真界で世界最高峰とされる写真賞の受賞に、高砂さんは「まさかと驚いた。自然写真家として世界から認めていただいた」と喜ぶ。

 WPYは、大自然をテーマにした世界で最も権威のある写真賞の一つ。世界中の自然写真家たちが貴重な生態や決定的・美的瞬間を競い合う写真コンテストで、第58回を迎えた本年度は世界各国から「動物ポートレート」「水中」など16部門に合わせて3万8000点以上の応募があった。

 「自然芸術部門」の最優秀賞は自然や地球という惑星の美しさを最大限に表現している作品に与えられる。部門には地球環境が変化する中、自然への関心が高まるようにという願いが込められている。37年間、生き物や自然との共生を写真を通して訴えてきた高砂さんに最もふさわしい。

 受賞作「ヘブンリー フラミンゴズ」は南米ボリビアの標高3700メートルにあるウユニ塩湖で撮影。10年間で6回訪れた中で、1日だけ風がピタリとやみ、湖面が鏡のようになった日に、羽を休めているフラミンゴの群れに遭遇した。千載一遇のチャンスを逃さず「夢のような光景」(高砂さん)をカメラに収めた。

 高砂さんは「ウクライナでの戦争や災害、プラスチックごみによる環境破壊などいろいろな問題が起きている同じ地球上に、こんな瞬間が存在するということ、同時に地球がこんなにも美しく宝物のような天体であるということを心から伝えたかった」と話す。

 11日に、ロンドン自然史博物館であった授賞式に臨んだ。「写真の持つ力に対する海外の関心の高さに驚いた。言語と違い写真は世界共通語。受賞を機に、自然や生き物に愛情を持てるような作品を世界に向けて発信したい」と意欲を新たにした。

来月13日、古里で講演

 高砂さんは11月13日に石巻市開成の市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)で開かれる「環境市民公開講座in環境フェア2022」で講師を務める。午後2~4時、入場無料。

 第1部で「石巻から地球を想(おも)う」と題し、世界各地で撮影した生き物や自然の写真スライドで上映しながら講演する。第2部はパネルディスカッション「暮らしの中でできる、自然を壊さない工夫」が行われる。

 参加希望者は事前申し込みフォームから。連絡先は市環境課0225(95)1111。

環境フェア2022 - 石巻市
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