筆・墨・硯・紙の産地、勢ぞろい 文房四宝まつり 雄勝で開幕
全国の筆と硯(すずり)、和紙、墨の産地が集い、それぞれの伝統工芸をPRする「第21回文房四宝まつり」が22日、石巻市雄勝地区の市雄勝硯伝統産業会館で始まった。23日まで。入場無料。午前9時半~午後4時。
「雄勝硯」を産する石巻市のほか、「熊野筆」の広島県熊野町、「因州和紙」の鳥取市、「鈴鹿墨」の三重県鈴鹿市から4団体が参加している。
硯作りの実演、筆をとって字を書いたり、紙すきを体験したりできる他、伝統の黒だけではなく、パステルカラーの墨の紹介など多彩な体験・展示コーナーが設けられている。
初日は、名古屋市を拠点に活動する書道家の矢野きよ実さんが屋外で「無敵」などの字を書くパフォーマンスがあった。友人と訪れた石巻市沢田の主婦阿部慶子さん(69)は「紙すきを体験して楽しかった。墨の香りや書には心を癒やす効果があると改めて実感した」と熱心に会場を巡っていた。
23日は午前10時半、正午、午後1時半からの3回、石巻高と石巻好文館高の両書道部や書道家による書道パフォーマンスがある。
筆・墨・硯・紙の「文房四宝」の産地が集まる同まつりは、旧雄勝町の町制施行50周年記念として1991年に始まり、2001年以降は隔年で参加各自治体持ち回りで開催している。石巻市では12年以来で6回目。東日本大震災で被災し、再建された雄勝硯伝統産業会館では初めて開かれた。