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復興の象徴「ダンボルギーニ」、役目果たす 来月3日に営業終了 前向きな気持ちで決断

復興の象徴として親しまれてきたダンボルギーニと今野社長

 女川町のテナント型商店街「シーパルピア女川」で段ボール製のスーパーカー「ダンボルギーニ」を展示してきた「Konpo’s Factory(コンポズ ファクトリー)」が11月3日で営業を終了する。石巻市桃生町の梱包(こんぽう)資材会社・今野梱包が2015年から運営してきた。今野英樹社長(50)は「東日本大震災から11年が過ぎ、町と人が、次のステージやフェーズに移れるように、前向きな気持ちで幕を引くことを決めた」と話す。

 ダンボルギーニは全長約4.7メートル、幅約2メートル、高さ約1.1メートル。今野社長が全体のシルエットだけでなく、ボンネットやサイドミラーなども忠実に再現した。車体の隙間からのぞくエンジンなど細部にもこだわり、発光ダイオード(LED)電球のヘッドライトもついている。

 15年12月の展示当初から目を引く色合いと再現度の高さが、観光客や地域住民らの間で話題となり「復興の象徴」として親しまれてきた。16年には、復興状況の視察で女川町を訪問された上皇ご夫妻(当時、天皇皇后両陛下)も関心を寄せた。

 21日にはシーパルピアのテナント会議で、各店舗の関係者に役目を終えることを伝えたといい「震災を引きずるのではなく、復興の思い出に移ってもらえればいい。閉店まで時間があるので、もう一度、女川とダンボルギーニを目に焼き付けてほしい」と語る。

 ダンボルギーニの今後の活用法は未定。それでも「もし、町や観光協会、女川みらい創造など興味を持ってくれるところがあれば有効活用のために贈ることも考えている」と話している。

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