バス利用者増加へ 石巻市、運行情報をオープンデータ化 ネット検索に反映
石巻市は、市内を走る住民バスや市民バスの運行情報をオープンデータ化し、市のホームページ(HP)などで公開した。一部は既にインターネットの経路検索サービスに反映されており、ダイヤや経路を簡単に調べられるようになった。市は住民や観光客の利便性を高め、利用者数の増加につなげたい考え。
公開したのは荻浜、河北、雄勝、桃生、北上の各地区住民バスと、牡鹿地区市民バス、稲井地域、山の手地区、水押・開北・大橋・水明地区、河南地区の乗り合いタクシー。各路線の経路や時刻表、利用方法、運賃などを9月30日、市HPに掲載した。
バスや電車を使った目的地までの移動手段を調べる経路検索サービスにも情報を反映させるため、国土交通省が定めた「標準的なバス情報フォーマット」形式のデータも10月14日に県と県内市町村の共同ポータルサイトで公開した。
市は複数の経路検索事業者にデータの活用を働きかけた。パソコン、スマートフォンアプリの一部サービスが既に取り入れ、検索結果に表示されるようになった。検索大手グーグルとも契約を交わし、近くサービスに反映される見込み。
住民バスや市民バスはこれまで時刻表などがネット上に公開されず、日常的な利用者以外は情報を入手しづらかった。市地域振興課の担当者は「オープンデータ化で経路やダイヤを簡単に調べられるようになり、住民や来訪者が利用しやすくなる」と説明した。
人口減少や少子高齢化で地域公共交通の運営は厳しさを増している。市は公共交通の維持に向け3月、市総合交通計画(2022~26年度)を策定。本年度は路線バスや住民バスの利用促進に向け、ダイヤや運賃制度の総合的な見直しを進めている。