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礼儀作法教育 先進校・石巻小、教員視察の受け皿に

和室で座礼をする4年生。子どもたちの美しい形に感心し、授業を参観する小野小の先生たち

 伝統文化教育の先進校である石巻市石巻小(児童279人)が、礼儀作法の指導を学ぶ教員の受け皿になっている。東部教育事務所管外から視察に訪れる学校もあり、相手を気遣う気持ちを持った所作に感心している。

 大和町小野小(児童754人)からは、石巻小に2010年度まで10年間勤務していた永沼克之教頭(53)と若手教諭2人が9月22日に来校した。小野小の手代木吉之校長は05年度から3年間、教務主任として石巻小に在籍し、伝統文化教育に携わったことから「石巻小の礼儀作法の指導を実際に見て、肌で感じてほしい」と送り出した。

 和室で4年2組(24人)の礼儀作法の授業を参観した。須田久美教諭の指導で、児童たちは背筋をぴんと伸ばして正座し黙想。向かい合って座礼を復習した後、ふすまの開け閉めに取り組んだ。須田教諭は「ゆっくり丁寧に開ける。静かに閉める」と教えた。

 場をわきまえて静かに、丁寧に所作をする児童たち。永沼教頭は「相手を気遣う指導がされており、礼儀作法もできている。小野小では昨年度から取り組み、声がけをしている。指導を深化させ、子どもの将来の財産になる礼儀作法を身に付けさせたい」と話した。

 生徒指導主任の伊藤恭将教諭(27)は「子どもたちが自然な態度で取り組む姿に感動した」。西條雅俊教諭(29)は「子どもたちが伝統文化に触れることで、ものを大切にする心、相手を思いやる気持ちが育っていると感じた。話を聞く姿勢は学習に取り組む姿勢にも生きていく」と評価した。

 帰りの会で児童の学校生活のよりどころとなる「校訓五箇条」の唱和の様子も参観した。校長室で伝統文化教育主任の遠藤智弥教務主任が礼儀作法指導の取り組みについて説明した。

 川田知宏校長は「子どもたちは立ち止まってのあいさつや礼儀作法を学ぶことで落ち着いて学習する習慣が身に付き、学力向上にもつながっている。日本人の教育として伝統文化を大事にし、教員の受け入れにも協力したい」と語った。

 石巻小は学校独自の「かしわタイム」を設定し、各学年が年間4時間、礼儀作法や百人一首、伝統文化を学ぶ。特に礼儀作法は学習や生活の基礎・基本になるとして05年に「礼儀作法指導指南書」を学校独自で作成。教員が系統的な指導の共通理解を深めるために活用している。

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