網地島で移動販売「高齢者、心待ちに」 漁業者グループが活動報告
県内の漁業者グループが日頃の研究や活動の成果を発表する「第20回県青年・女性漁業者交流大会」(県など主催)が10月25日、石巻市開成の県漁協本所で開かれた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催は2年ぶり。オンライン配信もあり、多くの漁業関係者らが観光体験事業や加工品製造などの取り組みに関心を寄せた。
石巻市と南三陸町から計3人が登壇。同市の県漁協網地島支所女性部の阿部仲子さん(69)は「青空復興市をみんなの手本に-高齢者が安心して暮らせるように」の題で、東日本大震災による物資不足をきっかけに女性部が続けている「青空復興市」を紹介した。
復興市は震災で島に来られなくなった業者の代わりに生活物資を移動販売。平均年齢が70歳を超える島では高齢者の生活に欠かせぬものになり、現在も毎週実施している。
阿部さんは「出向くことで、配達を心待ちにしている人のストレス解消や健康チェックにもなっている」と成果を述べる一方、「物価上昇への対策が課題。島民に負担をかけないために、行政や支援団体と連携して取り組みを維持していく」と抱負を語った。