災害対応力養う 防災学習、学年ごとにテーマ設定 石巻小
石巻市石巻小(児童283人)で6日、全校挙げての防災学習「石小みんなであんぜんの日」があった。児童たちは学年ごとに設定されたテーマに基づく活動を通じて災害対応力を養った。
東日本大震災があった2011年に生まれていない1・2年生は「震災について知る」、3・4年生は「災害が起きた時の対応を考える」、5年生は「災害時の非常食を考える」、6年生は「震災時の地域の様子を知る」をそれぞれテーマに設定した。
このうち3・4年生は防災カードゲームなどを使用しながら、災害時における適切な対応をさまざまな視点で学んだ。より安全に命を守るための行動を確認した。6年生は震災時の地域の状況を理解した。今後、防災マップを作成する。
5年生は体育館に集合。NPO法人まなびのたねネットワーク(仙台市)の伊勢みゆき代表理事が講師を務め、市桜坂高の生徒7人がサポート役を担った。
伊勢さんは震災を教訓に「津波警報が出たら高い所に逃げる」と語りかけた。「命をつなぐために何を食べるか、誰と食べるかが大事」と述べ、米の重要性を説いた。
桜坂高の生徒が震災時の夜、避難所でおにぎり1個を配られ、家族4人で食べた体験談を紹介した。
同ネットワークと加美町の企業、桜坂高が関わる非常食「チカラモチ」を5年生全員で作り試食した。水だけを使って簡単にできる米粉の非常食で「安全安心」が特長だ。食べた女子児童の一人は「もちもちしておいしい。普通のおもち」と笑顔だった。
震災から11年が経過し、震災時を知らない世代が増えている。佐々木光春安全担当主幹教諭(44)は「いつ災害が起きても適切に行動できる子どもに育てたい」と話した。