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住吉中で「先輩に学ぶ会」20回目 気象予報士の森田さん、後輩にエール

気象予報の仕事について説明する森田さん
森田さんの講話を真剣なまなざしで聞く生徒たち

 石巻市住吉中(生徒235人)で2日、卒業生を迎えて話を聞く「先輩に学ぶ会」が開かれた。関東圏に在住する同校卒業生で構成する東京住中会が主催し、20回目を迎えた。高山ふさえ会長(75)=鎌倉市=は「母校に貢献したいという思いで続けてきた。活躍する先輩の話を参考に、将来、大きく羽ばたいてほしい」とエールを送った。

 先輩に学ぶ会は、生徒がさまざまな分野で活躍する東京住中会会員の体験談を聞き、将来の職業選択や卒業後の進路について具体的なビジョンを持ち、自己実現への意欲を高める狙い。

 隔年で開催されてきたが、2020年はコロナ禍で中止された。令和に入って初の先輩に学ぶ会は1972年3月卒業生で、ウェザーニューズ(本部千葉市)予報センターに勤務する気象予報士の森田清輝さん(66)が講師を務めた。

 体育館に集まった2、3年生とリモートで参加した1年生を前に、森田さんは「空と海で人はつながっている(50年前にはなかった仕事の話)」の題で講話した。「50年前はテレビ、新聞、ラジオ全て同じ天気予報。法改正で独自の予報を出せるようになり、1995年気象予報士の制度がスタートした」。

 パソコンやインターネットの普及を背景に「現在、天気予報の中身と精度が媒体によって違う。ウェザーニューズは精度を確認し、日々改善している」と説明。「24時間、インターネット配信し、一般の人から天気のリポートも送ってもらっている。地元の天気を細分化して見られる。気象庁一括から、使う側が自分(の用途)に合った天気予報を選べる時代になった」と述べた。

 地球温暖化や気候変動を踏まえ「地球の目線で考え、足元から行動してほしい。これまでなかった仕事にチャレンジしていくことが大切」と強調した。固定観念を打破し、新たな視点で前に進む必要性を示唆し「そのためには勉強。数学は役に立つ」と諭した。

 3年生の福田心平さん(15)は「地球温暖化について理解できた。将来は地球のために行動したい」と話した。

 東京住中会の会員は800~900人。高山会長は「今後も母校を支え、後輩たちのために先輩に学ぶ会を続けていく」と語った。

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