地域防災の新戦力 学生消防団員5人に辞令 石巻専修大モデル、現場出動免除
消防団員の確保や地域防災の担い手を育てる新しい取り組みとして石巻市が創設した「石巻専修大モデル学生消防団員」として、同大の学生5人に辞令が交付された。火災や災害現場といった危険が伴う現場出動は行わないが、定期的に消防団の訓練や救命救急講習に参加、活動に興味をもってもらい、地域防災の活性化につなげたい考えだ。
辞令交付式は10月22日に石巻市防災センターであった。鈴木智也さん(経営学部2年)、今野直幸さん(同)、鈴木秀磨さん(経営学部1年)逸見亮太さん(同)、真坂蔵人さん(理工学部1年)に辞令が手渡された。
石巻市消防団の窪田勝幸団長は「若い世代が入ると組織が活気づく。実際に出動することはないが、団員と交流を図り、石巻の地域防災力向上のきっかけになってほしい」と激励した。
5人は消防団のあり方や心構え、今後の活動内容を確認する研修を受け、斎藤正美市長からもエールを受けた。石巻出身の鈴木秀磨さんは「団員の方々からやりがいなどを聞いてみたい。社会に貢献するために必要なものを見つけることが目標」と意気込んだ。
市消防団は高齢化や担い手不足が長年の課題で、東日本大震災があった2011年の2164人から10年間で1564人までに減少。市は2017年度に学生消防団活動認証制度を実施したが入団実績はゼロだった。大学と協議し、現場活動を免除したモデル制度をつくった。
任期は1年以上。市が地域に貢献したことを証明し、就職活動でのアピール材料にしてもらう。報酬は一般団員と同じ年3万6600円が支給されるという。