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老犬ラッキー、利用者癒やす 石巻の通所介護事業所を訪問

ラッキーに触れて心を和ませる利用者

 石巻市立町2丁目にある通所介護事業所で、大型犬が利用者らに癒やしを届けている。名前は「ラッキー」。人間の年齢に換算すると100歳近い高齢犬だ。

 「おはようラッキー、こっちおいで」-。利用者、職員から声がかかる。医療法人啓仁会が運営する立町ロイヤルリハビリセンター。朝の散歩の最後に、飼い主の浅野香純さん(70)と一緒に週に2、3回訪れる。利用者にあいさつするかのようにゆっくりと施設内を回る。

 浅野さんの家は、センターのすぐ隣。訪問は2018年7月にセンターが開所して間もなく自然発生的に始まったという。

 所長の岩沢康行さん(42)は「通い始めたばかりの人の緊張をほぐしたり、利用者の皆さんを優しい表情にしてくれている」とラッキー効果を話す。「来ない日は利用者から『姿が見えないね』と声が出る」

 週2回利用する同市新栄1丁目の見沢節子さん(74)は「高齢のラッキーがみんなの回りを歩いて来るとこっちも頑張ろうという気になる。いつまでも来てほしい」と願う。

 ラッキーは05年7月、生後1カ月ぐらいで浅野さんのもとに来た。シベリアンハスキー系の雑種で雄、性格は穏やか。東日本大震災では津波で同市住吉町辺りまで流されたが、4日後に戻ることができた。

 大型犬の17歳6カ月は、人間の100歳に近い。浅野さんは「この秋、急に弱り、歩くのも大変そうになってきた」と語る。大きかった体は痩せ、衰えが目立つという。「こちらも元気をもらっている。ラッキーが行けるうちは続けたい」と浅野さん。少し寂しそうに話した。

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