蛇田地区に住民協議会発足 石巻5例目の自治組織
石巻市蛇田地区の住民自治組織「蛇田地区住民協議会」が24日、発足した。市と地域が協力する市民協働のまちづくりの一環で、行政や学校、企業と連携して独自の事業を展開し、コミュニティーの強化や地域課題の解決を図る。
蛇田地区は39行政区があり、約2万4000人が暮らす。東日本大震災後に被災者の集団移転先としてのぞみ野、あゆみ野両地区が整備されるなど沿岸部からの流入で人口が増加した。
多様化する地域課題に効果的に対処するため、住民らは昨年11月に協議会準備委員会を組織。研修会や検討会議を重ね、会の在り方を模索してきた。
協議会は市の補助金を活用し、当面は地域の一斉清掃や学校の奉仕活動などを展開する予定。各町内会の活動をサポートするとともに、市や団体とも協力して地域課題に対応する。
設立総会が市蛇田公民館であり、役員や市職員、市議ら約70人が出席。斎藤正美市長は「地域内の横のつながりと行政とのパートナーシップの確立に大きな役割を果たすことを期待する」とあいさつした。
会長に就いた永峰一男さん(75)は「これまで以上に地区全体の連携が図られ、住みよく、子どもたちがずっと住みたいと思える地域になるよう取り組む」と抱負を述べた。
市内の自治組織は山下、河南、桃生、北上に続き5地区目。湊地区も年度内の発足を目指している。市は「地域自治システム」として計16地区での組織化を目指してきたが、震災の影響や担い手不足などで進んでいなかった。本年度からは期限を設定せず、機運が高まった地域で設立を支援していく方針に変更した。