ほや雑煮で誘客 提供店増加へ勉強会 石巻圏観光推進機構が企画
「ほや雑煮」など石巻地方の食文化を生かしてインバウンド(訪日客)誘致に取り組む石巻市の一般社団法人石巻圏観光推進機構は21日、飲食店や宿泊事業者向けの勉強会を市水産総合振興センターで開いた。ほや雑煮の提供店を増やし、誘客を強化するのが狙い。ホヤ漁師と雑煮の専門家が講師を務め、特徴や魅力などを紹介した。
約20人が参加した。雑煮研究家の粕谷浩子さん(50)=滋賀県=は「お雑煮ほど面白い料理は、他にない!」と題して講演。具材や餅の形、食べ方など地域ごとの特色や雑煮の奥深さを説明した。
粕谷さんは、ブリを使った「博多雑煮」など各地の雑煮を紹介し「食材や食べ方にもその土地ならではの意味がある」と説明。「年1回のハレの日の料理で、人や地域が代々紡いできた物語がある。観光客も地元の人にも新しい発見があるはずだ」と述べた。各地で雑煮のためだけに生産されている野菜があることにも触れ「お雑煮が伝統野菜の最後のとりでになっている面もある」と語りかけた。
同市谷川浜の漁師渥美貴幸さん(40)は、今年誕生したブランド「ほやの極み」の特徴を紹介。「ホヤは殻からいいだしが出る」と雑煮に使う際のポイントを伝えた。
石巻地方は1月、地域の食を生かしてインバウンド誘致を推進する農林水産省の「農泊 食文化海外発信地域(セイバージャパン)」に認定された。郷土食としてほや雑煮と石巻せり鍋を柱にPRしているが、ほや雑煮は家庭料理のため提供店がほとんどないのが実情だ。
観光推進機構の斉藤雄一郎業務執行理事は「地方の食文化を楽しみたいという訪日客は多い。協力店を増やし、日本人を含め観光客を呼び込みたい」と話した。
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