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石巻圏再生の歩みを写真集に 「新百景」きょう発売 三陸河北新報社

マンガのキャラクターが描かれたカラフルな列車が海沿いの線路を走る。夕焼けに照らされた松島湾が輝く=2022年4月13日掲載
宿泊客を迎えたトレーラーハウスに明かりがともる。JR女川駅近くに40棟が建つ宿泊村「ホテル・エルファロ」。エルファロはスペイン語で「灯台」を意味する=20年10月21日掲載

 三陸河北新報社は1日、石巻圏を対象に東日本大震災からの復興の軌跡を記録した写真集「新百景 石巻・東松島・女川 再生の歩み」を発行する。「石巻かほく」連載の写真を一冊にまとめ、復興事業で整備された施設や景観、農業や水産業の新たな取り組みなどを紹介している。

 連載は2018年9月~今年8月、毎週水曜日の石巻かほくで200回続いた「石巻圏 新百景」。写真集は連載で使った各回2枚、計400枚の写真から97枚を選び、地域や分野別に再編集した。震災の猛威を物語る石碑や遺構にも重点を置き、記者コラムで教訓を伝える覚悟を示した。

 担当した記者は12人。被災地で再生された景観がより美しく輝く瞬間を求めて現場に何度も通い、時には暗闇で夜明けを待った。

 JR仙石東北ラインのマンガッタンライナーは東松島市野蒜ケ丘の高台から陸前大塚駅に向かって走る姿を切り取った。石ノ森章太郎氏(1938~98年)の作品をあしらった新しいライナーが1月に導入された。震災後に復興の象徴として運行を始めた仙石東北ラインの軌道をマンガの街のシンボルが走る。

 夕焼けに照らされ、住宅再建の拠点となった高台から観光拠点である松島湾に向かう姿は、復興や観光振興への被災地の期待を背負っているように見える。

 巻頭に女川町在住の歌人逢坂みずきさんのエッセーと短歌を掲載した。逢坂さんは故郷の復興の過程を「海、川、ひとのくらし煌(きら)めく」と表現し、震災の苦難を乗り越えた全ての人々が星のように輝く世界を思い描いた。

 定価は1100円。A4判、64ページ。石巻、仙台両市の主な書店のほか、河北新報販売店、三陸河北新報社事業部で取り扱う。連絡先は事業部0225(96)0321。

出版案内 - 三陸河北新報社

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