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震災伝承学び合う 被災3県語り部ら視察ツアー 石巻・大川地区など巡る

タブレット端末やスマホをかざしながら大川地区を巡る参加者たち

 東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の伝承団体などをつなぐ連携組織「公益社団法人3・11メモリアルネットワーク」(石巻市)は3日、伝承の取り組みを学び合う視察ツアーを開いた。3県の語り部ら約30人が石巻市大川地区や南三陸町を巡り、教訓を語り継ぐ意志や経験を伝えるための工夫を共有した。

 大川地区では拡張現実(AR)アプリを使った語り部ガイドを体験した。アプリはタブレット端末やスマートフォンで風景を映すと、震災前の街並みや日常生活のエピソードが文字で表示される仕組み。旧大川小卒業生でアプリの開発にも携わった永沼悠斗さん(28)が、震災遺構の旧校舎とその周辺を案内した。

 永沼さんは学校近くにあった豆腐店や駐在所、田んぼなどを思い出とともに紹介。「地域に育ててもらった思いが強い。悲しい場所というだけでなく、震災前の地域のことも伝えていきたい」と語り掛けた。

 釜石高(釜石市)の生徒有志でつくる震災伝承グループ「夢団」の佐々木結咲(ゆうさ)さん(17)は「被災前の様子を知ることで、被害の大きさなどをより感じることができた」と話した。

 参加者は10月に開館した南三陸町の震災伝承施設「南三陸311メモリアル」も視察した。

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