「原発再稼働は危険」 差し止め判決の樋口元裁判長、女川で講演 耐震基準に疑問示す
福井地裁の裁判長だった2014年に関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の再稼働を認めない判決を出した樋口英明氏が4日、女川町の大原南集会所で講演した。町民らでつくる実行委員会が主催。原発の危険性などについて語った。オンラインも含めて約180人が参加した。
樋口氏は「原発で重大事故が起きれば広範囲に甚大な被害をもたらすが、耐震設計基準は一般住宅よりも低い。各原発における将来の最大地震動を想定することは不可能なので再稼働は危険」と指摘した。
また「原発は電気や水を与え続けないと暴れてしまう。飛行機などのように、誰かが制御や操作をしなければ全ての人が危険にさらされてしまうものだ」と表現した。
これからの原発裁判の在り方についても述べ「各地で提起されている原発差し止め訴訟が最高裁で勝訴するには、世論の後押しも重要。再稼働してはダメだと誰もが納得する理論を社会全体に浸透させ、世論を形成することが大切になっていく」と語った。