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「石巻の香り」13作目に鹿島御児神社鳥居 シリーズ完結 珈琲工房いしかわ

鳥居越しに水平線を望む図柄

 東日本大震災で失われた風景や、復興した景観などをパッケージに描いた石巻市北村の珈琲(コーヒー)工房いしかわのドリップパックシリーズ「石巻の香り」に、日和山にある鹿島御児神社の鳥居が加わった。同シリーズは2016年の発売以降、随時、新しい絵柄を加えてきたが、13作目の今回の鳥居をもって完結とする。

 今回は初詣をイメージした。鳥居越しに水平線を望む構図で、境内には晴れ着姿の女性や、引いたおみくじを見る親子連れとおぼしき人々が集う。震災復興を乗り越え、未来へ向かう石巻地方を象徴する図柄となっている。今までのシリーズ同様、仙台市在住の画家柴田治さんが描いた。

 鹿島御児神社の鳥居は、老朽化のために再建され、昨年12月に完成した。高さは旧鳥居とほぼ同じ約7メートル。秋田杉の板で付けた木目が表面を覆い、台座には雄勝スレートによる装飾を施し、基礎を強化して耐久性を高めた。震災を乗り越えて復興する南浜地区を見下ろす場所にあり、日和山の変わらぬシンボルとなっている。

 シリーズ第1作は「海に向かう参道」で、満開の桜越しに日和山から見える南浜地区や日和大橋を描いた作品だった。その後は、旧観慶丸本店、市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)など石巻を代表する建造物や施設、さらには津波で流失した岡田劇場、石巻地方初の本格的都市型ホテルとして親しまれた石巻リバーサイドホテルなど幅広い図柄を採用してきた。

 石川光晴社長は「日和山からの景観で始まったシリーズなので、同じく日和山で完結としたい」と話す。図柄ごとにコーヒーのブレンドも違っており、震災を乗り越えて歩む石巻地方の歴史や文化が培った「石巻の香り」を楽しむ商品として、今後も販売を続ける。

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